気功 養生天人功

季節の養生《春》

(文 / 養生天人功認定指導員:安藤)

春は立春から立夏までの、立春(りっしゅん)、雨水(うすい)、啓蟄(けいちつ)、春分(しゅんぶん)、晴明(せいめい)、穀雨(こくう)の6つの節気からなる3ヵ月間です。

季節の特徴

寒い冬が終わり、だんだん暖かくなってきます。

暖かい気、陽気が増すにつれ植物は芽吹き、冬眠していた動物の活動も活発になります。

春は万物が生長、発育、成長する季節です。

人への影響

「春一番」の後の寒の戻りや「三寒四温」など、気圧の変化、気温の変化に対応できず、体調を崩しやすい季節です。

冬に固まっていた体は春の暖かい風を感じると、体内の陽気は次第に生長し緩み、膨らんできます。

陽気は上りやすいので、めまい、ふらつき、イライラ、落ち込んだりと情緒不安定、不眠になったりします。

中医学では春は五臓のうち肝の機能が旺盛になる季節で、このような症状は肝の働きが活発になりすぎることも影響しています。

肝には、通りをよくする・上昇・発散させる「疎泄」という働きがあります。

この疎泄の働きが正常であれば、昇・降・出・入の気の運動は流れ、精神はゆったりします。

また肝は血を貯蔵し、体のいろいろな部分に必要に応じて血を送る働き(血流量の調整)があります。肝血が不足すると熟睡できない、目の乾燥、筋肉の痙攣、四肢のしびれなどが起こります。

不満やストレスが多いと肝の気が滞り、脾・胃にも影響を及ぼします(食欲不振、慢性胃炎など)。

春の養生

イライラ、情緒不安といった春に特有の不快な症状は肝の働きと深く関係しています。

肝は束縛を嫌い、伸びやかであることを好みますから、

心身をゆったり、のびのびさせ、ストレスで肝を傷つけないようにしましょう。

ストレスの解消法として、軽く汗を流すくらいの運動、ゆったりとした呼吸の運動をしましょう。

深くゆったりした腹式呼吸によって副交感神経の働きが高まり、リラックスできます。

また、朝寝坊は陽気の生長を妨げますから、朝は早く起きましょう。

食養生

○冬の間に縮こまっていた体を目覚めさせましょう。

寒い冬を乗り越えるために貯めていたものを出す、解毒作用のある食材をとりましょう。

【小豆、たらの芽などの春の山菜、菜の花、たけのこ、三つ葉、しじみ、金針菜など】

 

○気の巡りをよくする食材をとり、イライラを解消しましょう。

【陳皮、仏手柑、三つ葉、カジキマグロ、金柑、すだち、グレープフルーツ、茴香、

ウコン、サフラン、春の山菜の芽、香りの良いものなど】

 

○血を補いましょう。 

肝が正常に働くためには血が充実していなくてはいけません。

血を補うものをとりましょう。

【キクラゲ、人参、牛肉、豚肉、うなぎ、レバー、たこ、棗など】

 

 ○眼精疲労(目の乾燥、かすみ目、視力低下など)について

・眼精疲労は春に限った症状ではありませんが、肝と密接な関わりがあり、不調の時は肝を養う食材を用いて改善しましょう。

【菊の花、にんじん、ブルーベリー、あん肝、シジミ、レバー、ハブ茶など】

 

〈杞菊茶〉(クコの実と菊の花のお茶)

茶碗にクコの実(肝の働きを高める。目の疾患の改善)大さじ1

菊の花(眼精疲労、目の充血などの改善)3個を入れ、

熱湯400ccを注いで12分蒸らす。

・眼精疲労を和らげる経穴

私がよく押すツボです。

強く押さずに、軽くジワ〜ッと押すと気持ちがいいですよ。

・顔 面:承泣・四白・晴明・攅竹・糸竹空。魚腰(奇穴)。

・後頭部:玉枕・天柱・風池。

温かいタオルを目に当てると緊張がほぐれて、気持ちがいいです。

お試しください。

でも、目が疲れないような生活をすることが一番大切ですね。 

さて次回
〈季節と養生〉は
2月の食養生(立春 / 雨水)・3月の食養生(啓蟄)・4月の食養生(晴明・穀雨)
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